FIV・白血病

   
どんな病気か
   

 ウイルス感染症のうちの二大両雄です。各種ウイルスにはそれぞれ得意の感染部位があり、パルポやカリシは消化器官などにとりつきますが、FIVと白血病は、ウイルス退治するための白血球などにとりつきます。

 白血球にも種類があります。「メモリーT細胞」は、体内を巡回し、ウイルスや腫瘍などの異分子探しをします。異分子がみつかれば「ヘルパーT細胞」が出動します。その異分子にあわせた抗体を作ります。ウイルスが撃沈されれば最後に、「サプレッサーT細胞」が出てきます。抗体作りをやめるよう、ヘルパーT細胞に指令を出します。
 FIVはこの仕組みの、ことにサプレッサーT細胞の働きを過剰にします。体内に異分子がうようよしてるのに「もう治ったよ。抗体作りをやめなさい」と言って回るので、体はありとあらゆる病原菌の温床になります。
 感染しても、必ず発症するわけではありません。潜伏期間は平均五年ですが、十年以上発症せず天寿まっとうした症例もあります。感染初期に積極的にインターフェロン注射して陰性に戻った症例も、わずかですが、あります。潜伏期間が終わると発症し、エイズと呼ばれる段階になります。
 この病気で怖いのは、感染ではなく、発症してからの二次感染です。
 体内には「常在菌」とよばれる菌が多数あります。発症すると免疫機構が壊れるため、それら常在菌、新たに侵入してくる他ウイルス、休眠中のガン細胞、すべてが活性化します。白血病もFIVも、ガンを併発しやすいです。

 白血病のほうは、遺伝子にもぐりこみます。ウイルスが任意の遺伝子にとりつき、とりついた遺伝子の隣にある遺伝子を壊します。そのとき隣にいたのが肝臓を司る遺伝子なら、猫は肝臓病になります。血液を作る遺伝子なら、貧血になります。隣にどんな遺伝子があるかで発症時の症例が変わります。ありとあらゆる病気になる可能性があります。
 感染したら、およそ感染から3から5年で発症し、発症ののちは、白血病ウイルスは進行が早いので、二週間前後で天国に召される、と、いちおう言われています。が。医者から「余命1年」宣告されつづけて十年以上は経ってるのに元気いっぱいの白血病キャリア猫たちを、ネットでよくお見かけします。発症後の猫にインターフェロンを投与しつづけ、四年以上も生きさせた例もあります。やっぱり病気は個体差ではないでしょうか。感染がわかっても、猫さえ元気なら、それほど驚かなくてもいいような気がします。

 

   
症状
   

 免疫がなくなりますから、ありとあらゆる症状の種類があります。
 元気がなくなり、食欲不振。くしゃみ鼻みず鼻づまり。体重減少。発熱。呼吸困難。歩行困難。下痢。皮膚病。喘息やアレルギー。皮膚病。悪性腫瘍。その他もろもろ。
 水をよく飲むようになるのも特徴のひとつのようです。とはいえ腎不全なども水をよく飲むようになるので、どちらにせよ医者に行きましょう。

 

   
治療法
   

 感染しているかどうかは血液検査をすればわかります。
 空気感染はなく、接触感染のみです。
 最大の予防は、外に出さないことです。
 現在は外歩きの猫のうち、10%がFIVで、7%が白血病だそうです。年に一度、ワクチン接種するのも有効な予防ですが、完全室内飼いのほうが効果あります。白血病のほうは毛づくろいなどからも伝染しますが、FIVは、血が出るほど噛まれなければ伝染しない、きわめて特殊な伝染経路です。
 一度感染してしまったら、以後は一切あらゆるワクチンを打てなくなります。打っていいと書いてる医者もいるので賛否両論のようですが。

 感染したら、発症しなくても他の猫には感染させます。多頭飼いで、1匹感染してしまったら、他の猫から隔離しましょう。
 できることなら無理してでも、完全室内飼いにしたほうがいいです。一見健康にみえても、白血球は減少してます。怪我は治りが遅いし、他のウイルスへの抵抗力も弱くなってます。他の病原菌にさらされたのをきっかけに、発症してしまうことも多々あります。そもそも散歩を楽しいことだと思っているのは人間だけです。猫にとっては戦いの場で、ストレスしかない危険行為であるのが、最近の研究で証明されています。
 いかに発症させないかが、治療の要です。
 注意深く大切に育てて、長生きさせた事例は、たくさんあります。
 どうか、あきらめないでください。

 発症しないよう、免疫力を高めることもできます。
 インターフェロンなどの医療は医者にまかせて、家庭でできることとしては、 おいしくて栄養あるごはんを食べて、たくさん運動して、たくさん遊んで、楽しい思いをすることです。
 ストレスが最大の敵になります。お部屋はできるだけ快適に、わくわくする空間にしましょう。
 そして、笑ってください。
 あなたが笑えば、それだけでも猫のストレスは減るのです。

 

   
よく効く食材
   

 亜鉛、セレン、ビタミンA、B、C、Eなどが、白血球の免疫力を高めます。
 体全般の免疫力向上には、ショウガ、アロエベラ、シナモン、クローブ、キャットニップやタイムなど。アロマテラピーでは、ラベンダーやローズマリーなど。

 とはいえFIVの場合、実にさまざまな症状があります。すべての症状に効く特効的な薬草はないようです。その時その時の症例にあわせ、臨機応変な治療が必要です。
 白血病の場合は、いらいらと引きこもるならマチン。異常に寂しがるならオキナグサ。歯茎が炎症を起こしたらイカスミ。発熱のみならリン酸鉄。 症状にあわせて与えてください。

 食材ではなく本ですが、FIVについては石田卓夫著の「猫のエイズ」が、詳しく教えてくれてます。FIVの歴史や現状に始まり、さまざまな症例やお世話のしかたなど、読みごたえのある一冊でした。

 

   
FIVのための漢方やサプリ
   

 以前うちの子がFIVからの口内炎に悩まされた時、動物にも漢方を処方してくれるショップで、漢方薬を購入しました。そのとき「発症後のFIVの猫」として、以下のものを処方されました。

1、ササヘルス127ml 3本
2、星火霊芝宝 1包
3、シベリア霊芝 8包
4、板藍茶 5包
5、ノルクスK錠 4錠
6、ルミンA錠 10錠

1を1本へ、2〜5を三等分したものを混ぜます。
それを1日15mlぐらい飲ませます。
6のみは1へ混ぜず、1日一錠服用します。

 とはいえ漢方は、ほとんど飲んでもらえませんでした。
 うちで効いたのは、以下のものです。

1、ユッカ・インテンシブ
 獣医さんちで注射されるのは、人工ステロイドです。
 ユッカは、天然ステロイドです。ステロイドそのものでなく、体内でステロイドを作る手助けをします。人工のとちがって副作用も中毒性もないそうです。1滴飲んだら翌日には効果が出ました。

2、愛
 サプリではなく気持ちです。
 うちのFIVの翠は、とにかくパパが好きです。なので残業をやめてもらい、翠とイチャイチャする時間をたっぷりとるよう、パパに生活改善してもらいました。
 これが最高に効果ありました。以来、口内炎は出てますが、人工ステロイド注射はしてません。特殊例ですが、愛が医術を越えることもあります。

 

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