その10
   

 買い物してたら街でばったり、会社時代のお客さまに会いました。いつも楽しげで凛としている、大好きなおばあちゃまでした。
 ついつい話がはずんで、何買ったの? なんて話から、にゃんこのごはんの話になりました。その方が猫を飼ってて、猫にベタ惚れなのは知ってました。でもお客さまだった時にはさすがに「どんなごはん食べてます?」とは、今までは聞きにくかったことでした。
 おばあちゃまは言いました。
「サ○エンスダイエットをあげてるの。孫が教えてくれたの。自然食なんですよ!」

 その缶、不味かったですよ・・・。

 とはさすがに言えませんでした。
 おばあちゃまの近所には、カ○カンやフ○スキーなら売ってました。
 それをわざわざ遠い街まで車を出して、年寄りにはさぞ重かろう大量の缶を買いにくるほどの、おばあちゃまの、こだわりの一品なのです。
 優しい人の素敵な笑顔を、心ない言葉でひっかく気には、とてもなれませんでした。

 正直うちのサイトって、失礼なコンテンツだと思います。
 ごはん何食べたか、なんて、プライバシーの最たるものではないですか。あれは美味いの不味いのだなんて、知人相手には言えませんよ。
 HPは自己表現の場だと割り切ってはいます。
 読みたい人だけ読んでくれたらいい。読みたくない人は特に言わなくても素通りしてくれるだろう。だけど腹立てる人はいるわけで、ときどき、行ったこともない知らない掲示板に、うちの陰口が書かれてたりします。
 うちがその書き手さんの、大好きなフードをホメなかったせいかもしれません。「あなたのごはんは不味い」だなんて、見ず知らずのわたしに言われたら、ふつう怒るでしょうね。

 だから、たまに読んでくれる人がいると、嬉しいのです。
 うちの掲示板に「ごはん替えました」とか「手作りチャレンジしました」とまで書いてもらえた時には、いちばん、HP開設して良かったー・・・、と実感します。
 風当たりがあるのは承知で、それでも本音を書き続けてると、わかってくれる人は現れるものです。プライベートじゃつい、相手の顔が見えるがゆえに口つぐんでしまうような話を、こうしてじっくり、時間かけて聞いてくれる人。そしてわたしの顔が見えないからこそ心だけを見て、鋭いツッコミをくれる人。そういう人は、わたしと同じ価値観の主だから、話を聞かせてもらっていると、安らぎます。
 ありがたいな、と思います。
 HPのおかげで、普通に暮らしてたら絶対に知り合えない素敵な人に、たくさん出会いました。
 顔が見えないコミニュケーションだからこそ、これからも、せめて心は裸でいたいです。


にゃんこは、裸なんだろか?
それとも、いつも抜け替わる極上の毛皮を着てるから、
いつでも最新モードと言うべきなんだろか?